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2018年6月14日 更新

「太陽光発電設備の鳥獣被害」

産業用太陽光発電設備内でのイノシシや鳥による被害をよく耳にする。住宅用もあわせると様々な動物による被害はあるが、今回は鳥による被害にスポットを当ててみる。

O&M japan編集部
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「太陽光発電設備の鳥獣被害」

■太陽光パネルのガラス割れ

 (566)

太陽光発電設備において鳥による被害は「糞害」「営巣」「落石」の三点がメジャーなものとなる。特に産業用設備ではカラスの落石によるモジュールカバーガラス破損が多く見られる。これらの落石はカラスが足で落とすだけに大したサイズではないのだが、高さがあればカバーガラスは簡単に割れてしまう。
では何故カラスは石を落とすのか?
専門家の意見をまとめると3つの仮設が立てられる。

[仮設1]
カラスは本能的に光る物にたいして攻撃的になるため、ガラスの乱反射に対して攻撃として石を落下させている。
[仮設2]
木の実や甲殻類を捕食する際に、硬い表皮を割るために落石を行う。(食べ物をパネル上に置いた状態で落石させる)
[仮設3]
産業用遊休地は元々カラスの餌場であり、発電所ができたことにより居場所を失った。
餌場を奪い返す行為として発電所に落石攻撃を行う。

この内容が事実であればカラスの頭の良さがうかがえる。何にしても事業者側からすると日々、何枚もモジュールを割られてはたまったもんではない。ではどのような対策があるのか?
 (564)

鳥除けの製品には目玉をモチーフにした物や、光や音で寄せ付けなくする商品が多く存在する。他にはピアノ線などもあるが、カラスはすぐに気づいてしまう。極めて頭が良いのである。カラスに関しては昔から農家等が取り組んでいる方法で死骸(カラス)を見せるのが効果的なようであるが、動物愛護の観点や見た目の問題は否めないのが本音である。また鳥や動物が現地には先に住んでおり、発電所を設置した人間こそが後からの存在であり駆除するのはどうかと言う意見も多い。そう考えると駆除ではなく追い払うしかないのかも知れないがカラスの頭の良さは言うまでもなく簡単にはいかない。

■鳥糞によるモジュール汚れ

 (561)

住宅用の太陽光発電設備において鳥糞でモジュールがかなり汚れていることがある。これら被害の大半はハトによるものが多い。発電事業者はすぐに発電損失を気にして清掃や駆除対策を検討するが、実はもっと重要なことがある。それは鳥糞がもたらす病気である。鳥糞が溜まりすぎて雨樋から溢れている住宅を何度か目にしたことがある。これらの糞は悪臭を放つだけではなく、乾燥すると空気中をただよい呼吸と共に体内に入り込み病気を引き起こすことがある。それらの代表的な病気を紹介しておく。
●クリプトコッカス病
真菌症の一種でこれが人に感染すると軽症でも皮膚炎、重症となると脳や脳髄膜に病巣をつくり、場合によっては死を伴うことがある。
●オウム病
従来鳥類に感染する疾病であるが、鳥と人との接触により人間に感染することがある。これはウイルスによって起こり、軽症では風邪によく似た状態を引き起こすが重くなると肺炎のような症状にもなる。
●ニューカッスル病
ハトを含む多くの鳥がこの菌を持ち、呼気沫や外部寄生虫の媒介によって発病する。
人間に感染すると急性類粒結膜炎が一般的な症状として知られている。
太陽光モジュールの下はハトにとって退避場所や営巣地となる。営巣地にされてしまうと糞の吸引率や発病の可能性もそれだけ高くなり、これらの状態に覚えのある方は早めの対処を行うべきである。そもそも鳥を寄せ付けなくする配慮が必要となる。代表的なものは防護品(ネット)や忌避剤(薬剤)である。鳥類はトゲのあるバラ科の植物を嫌うのでそれらのエキスを配合した薬剤が忌避剤である。効果は鳥の種類や環境にもより違うので正直やってみないと何とも言えないのが本音であるが、人間でも薬の効き目には個人差がありそれと同じと感じていただけたら幸いである。できれば防護ネット等との併用がオススメである。
 (557)

■営巣の撤去

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住宅用発電設備において、ハトの営巣地にされると大変なことになるのはもうお分かりいただけたと思う。しかしながら営巣ができた場合は「撤去すればよい」と簡単に考えてはいないだろうか?実は営巣の撤去はとても大変なのである。そもそもこれらの営巣に卵や雛が居た場合、鳥獣保護法によりすぐには巣を撤去できなくなる。また巣立ち後に撤去する場合でもきちんとした許可のもとに安全に行わなければいけない。撤去後はモジュールを一旦取り外してアルコール消毒を行い、匂いを取り除かないと営巣を継続される可能性は高くなる。またモジュール裏面に、巣に使用された枯れ草などが残るとそれらは可燃物となりコネクタやバスパーの焼損事故と重なれば住宅火災になる可能性も少なからずある。鳥や獣のように自然界にいる生物は問題に対して必ず「学習」「対応」をしてくる。これらに対処するには人間も同じ行動をせざるえないが、人間としてどうするべきかは、様々な問題を考慮して正しい選択をしたいものである。
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