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2018年7月20日 更新

太陽光発電設備の技術基準

2016年12月に保守点検ガイドラインが公表され1年半ほど経ち、太陽光発電設備の保守管理事業はかなりの広がりを見せている。しかし全国各地において構造事故は後を絶たない。行政側でも架台/基礎への取り組みが多くなっているが、中々事業者には浸透していない。その根底は事業関係者が法令を理解しないことこそが原因と言う者も少なくない。今回はそれら電気事業法にまつわる「技術基準」に注目する。

O&M japan編集部
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太陽光発電設備の技術基準

■技術基準は電気事業法

昨年、3月にJIS C 8955が改訂されたことは記憶に新しいと思われる。これら日本工業規格に始まる他ガイドラインは遵守すべき決まり事が理解しづらい一般事業者向けに策定されたものであり、根底には法令として「電気事業法」がある。この電気事業法こそが太陽光発電事業の大半においての基準で技術基準もこの中に存在する。その内容は親切にも「電技解釈」「電技解釈の解説」と細分化されており、より明確になっている。それでも理解できない、あるいは読み取れない発電事業者は存在するため、より一般向けにJISを始めとするガイドラインは存在する。優先すべきは法令なのに何故か市場では大半の事業関係者はガイドラインばかりに意識が行きがちである。しかしながらガイドラインは指針であり法的拘束力は無い。発電設備で事故が起き、事業者が行政処分を受けるのはあくまで電気事業法に基づくのである。

■技術基準改訂の経緯

保守点検ガイドラインの指針が公表されて以降1年以上経過するが、いまだ構造設計不備や施工不備のある発電設備は多く存在する。これらが電気事故や構造事故を引き起こしており、行政側は特に構造設計不備での事故を注視している。そんな中、JIS C 8955(2017)にある太陽電池アレイ用支持物の設計用荷重算出方法が電気事業法の技術基準に反映され、技術基準の解釈に改訂される。つまり現状にある構造関係のガイドラインにあるいくつかの基準は法令化されるのである。
技術基準改訂の経緯はいたってシンプルで太陽光発電設備における架台の倒壊事故やパネルの飛散がとにかく多く、それらの事故は周辺の地域住民(利害関係者以外)を多く巻き込んでいるからである。ではなぜこのような事故が多発するのか?原因はとても簡単で発電事業者やEPC関係業者に構造設計に関する知識や判断力か無いに他ならない。太陽光発電事業に関わる多くの業者は電気工事関連の会社であり、建築/土木の知識はとても薄い。そんな中でコストだけを念頭において事業を進めればそうなるのは明白である。平成23年国土交通告示第1002号にあるように太陽光発電設備の位置付けは建築基準法からは適用除外されている。つまり電気事業法においてクリアにしていかなければならない。(一部は建築基準法適用)
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■保安規制の現状と改正点

今回、JIS C 8955(2017)が電気事業法に反映される中で、保安規制の現状を解説しておく。そもそもJIS C 8955は2004年に公表された太陽電池アレイ用支持物設計標準から始まり、一部設計用荷重の算出方法が改訂され2017年度に公表された。
ここで気付いた方もおられるかも知れないが説明する。今回の電技解釈に改訂されるのは2017年度部分で材料に関する明記が削除された。これは架台の種類が多すぎて材料を明確化できないことが理由にあげられる。しかし技術基準においては補足が入るとある。同じ項目に関して、民間(JIS)と行政(電技)とでは認識は少し違う部分もあり、この辺にも注意すべきである。また、全てを理解するには今回以外の過去の改訂も理解しなければいけない。ちなみに今回の技術基準の改訂は8月くらいに反映されるようである。
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とにかく事故を無くすには正しい設計が不可欠で、その為には4つの項目を精査する必要がある。

1. 法令/ガイドラインをきちんと読むこと
2. 技術基準を理解できるように日々勉強すること
3. 法令/ガイドラインを遵守する真摯な心をもつこと
4. 基準を取り締まる体制を構築すること
1番目から3番目までは、本来事業者自身が対応できなければいけない。理解できない者が発電事業を行うのであれば、専門家に高いコストを払って依頼するしかないのである。そこに目を背けると発電所の事故は後を絶たなくなる。
また、そのような発電所を正すには、4番目にある問題を行政や関係団体が厳しく取り締まる必要がある。
太陽光発電の産業用に関わる者はここ数年で事業を開始しているケースが多い。そんな中にはJISの2004年度版や電気事業法の文面を見たことのない者もいる。簡単に言えば法令などの決まり事を確認せずに事業に携わっているのである。ひどい業者になると法令やガイドラインを認識しつつも、高い発電収支を確保するために知らないふりをする者もおりとても残念な話である。
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