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2017年7月12日 更新

「モジュールの飛散」4つの原因

施工時にしっかりと取り付けたはずのモジュールが飛散してしまうことがあります。なぜ起こってしまうのでしょうか。

O&M japan編集部
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「モジュールの飛散」4つの原因
以前にも「ボルト・ナットの緩み&締め過ぎ」と記事をアップしましたが、太陽光発電モジュールの飛散事故はいまだ発生しています。今回は施工側の視点からも探っていきます。モジュールの飛散事故が起きると、周辺に被害を与えることもあり、場合によっては人命に関わることもあり大変危険です。
では、なぜ施工時にしっかり取り付けたはずのモジュールがなぜ外れてしまうのか。その理由を改めて見ていきたいと思います。

「モジュールの飛散」4つの原因

モジュールの飛散には、主に4つの原因があります。

1.そもそもボルト/ナットが取り付けられていない(施工不備)
2.ボルト/ナットが規定トルクで締まっていない(施工不備)
3.定期的な緩みや閉め忘れの確認が行われていない(定期点検)
4.緩み防止がなされていない(保護対策)

これらはいずれも、メンテナンスをしっかりすることで、回避することができるものです。
メンテナンスのポイントは次のとおりです。
モジュールの設置時・点検時に注意が必要

モジュールの設置時・点検時に注意が必要

via Photo credit: 1010uk via Visual Hunt / CC BY

施行時検査と定期点検で確認

1.の問題「そもそもボルト/ナットが取り付けられていない(施工不備)」は施工後の検査(竣工検査)をきちんと行うことで解消されます。竣工検査時には緩み確認用のマーキングがとても大切です。それが日常点検の際に効果を発揮するのです。特にメガソーラーのような大規模工事では、大人数の施工者が同時に作業を行う為、このようなイージーミスが発生しがちです。

次に2.「ボルト/ナットが規定トルクで締まっていない(施工不備)」は正しい施工、つまりメーカー指定の規定トルクで締め付け作業を行うことです。
その際、トルクレンチが必要となりますし、最終チェックも目視作業のみで終わらないように図面上に検査結果(全数)をマッピングする必要があります。締め付けトルクもボルト/ナットの材質やサイズによって弱冠異なりますのでメーカーへの確認が必須となります。
トルクレンチは自動車工具用のものが多く、太陽光工事に適したトルク幅の工具が少ないので購入の際にはトルク幅に注意して下さい。

3.「定期的な緩みや閉め忘れの確認が行われていない」は定期的な点検で緩みの確認を行う、つまり定期点検です。こちらは点検頻度にもよりますが日常点検では触手検査となります。(場合によってはトルク確認も必要になります。)可能であればマーカーでボルトとナットにチェックを入れるといいでしょう。
また竣工検査で緩み確認やマーキングも行っているので確認不要とは思わないこと。実際の発電所では新たな緩みはよく発生しています。風によるモジュールの微振動や、規格外のボルト・ナット(粗悪品)を使うと緩みやすくなります。

事前保護対策も重要

4.「緩み防止がなされていない(保護対策)」はその後に緩みがおきないように事前保護対策を行うことです。つまりボルト/ナットに緩み止め材を塗布する追加作業です。ボルト/ナットは構造上必ず隙間(リーマ部)ができる為に、風や外的要因で再び緩むことがあります。材質がステンレスとなるとボルト/ナットの硬度や摩擦係数も影響し、鉄材より更に緩みやすくなります。その対策として有効なのが「緩み止め剤」です。もちろん作業コスト増とはなりますが、飛散事故が起きてからの被害を考えると大したコストではありません。このような技術的要素こそが事故を未然に防ぐ一歩であり、重要な取組となります。
 緩み止め剤(嫌気性接着剤)には用途別に種類がありますので、どういった状況で緩みを防ぎたいのかをよく考えて選んで下さい。
嫌気性接着剤

嫌気性接着剤

via 資料提供:3M
このようにモジュールの飛散事故は結構簡単に対策を講じることができます。
面倒くさがらずに地道に事故を防ぎましょう。
ただ…そもそもの架台設計に不備があればそれはまた別の問題となります。

<太陽光発電検査協会会報誌「技術コラム」より一部抜粋>
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