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2017年1月29日 更新

製品不良? 天災? 人災? 「発電量の低下」を防ぐには

発電が起こって初めて事業的価値を生むのが太陽光発電事業ですが、今設置しているモジュールはすべて正常に動いているでしょうか? 落ち葉や樹木の影が発電を妨げていたり、モジュール自体が脱落していたりしないでしょうか。気を付けるべき点をまとめました。

O&M japan編集部
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製品不良? 天災? 人災? 「発電量の低下」を防ぐには

太陽光発電で起こる「発電量の低下」トラブル

「一度取り付けてしまえばあとはメンテナンスの必要はありません」とメーカーや販売・施工会社から言われて太陽光発電の機器(太陽光モジュール)を取り付けたものの、その後様々な不具合や事故などのトラブルが発生する、というケースが近年増えています。

太陽光モジュールの不具合や事故には様々なものがありますが、最も多い不具合は何だと思いますか?
それは、「発電量の低下」です。

そもそも、近年発生している主な太陽光モジュールの不具合や事故にはどのようなものがあるのでしょうか? 以下に、主なトラブルをリストアップしてみました。

<太陽光モジュールの主な不具合や事故>

・「発電量の低下」:様々な原因によって引き起こされる発電量の低下
・「パネルの脱落」:ネジのゆるみなどによるモジュールの脱落
・「パネルの飛散」:台風などの強風によるモジュールの飛散
・「焼損事故」(火災事故):電気系統からの発火でモジュールが燃えたり焦げたりする
・「地盤崩落」:地盤崩落によってモジュールが倒壊、損傷する
・「落雷事故」:落雷によってモジュールが損傷する
・「雪害」:積雪によってモジュールが損傷する
・「光害」:モジュール表面の太陽光反射が近隣の迷惑となる
・「水害」:台風などによる洪水での施設破壊

こうした不具合が発生する原因は主に3つあります。1つは製品自体の不備や欠陥、つまり「製品不良」です。2つ目は台風や雪害、風害、水害などの「自然災害」。3つ目はモジュールの施工方法・設置方法などに問題がある場合、つまり「人的問題」です。 
モジュールの様々なトラブルが発生する

モジュールの様々なトラブルが発生する

最も多い不具合:発電量の低下とその原因

先に挙げた不具合や事故のなかで、近年最も多く発生しているのが「発電量の低下」です。
パネルの脱落や飛散などは、人間の体に例えるなら、怪我や突発的に症状が表れる病気、つまりすぐに分かるトラブルです。一方、「発電量の低下」は、知らず知らずのうちに健康が損なわれている「生活習慣病」のようなものと言えます。定期的な健康診断のように発電量の数値をこまめにチェックしていないと、つい見逃してしまい、結果的に大きな損失につながる不具合です。

この「発電量の低下」には様々な原因がありますが、主な原因としては次のようなものがあります。

<太陽光発電システムの発電量低下に繋がる主な原因>

・「落葉」によってモジュール表面に陰ができる
・「鳥の糞」「砂塵」「土埃」などがモジュールの表面に付着し、日光を遮断する
・モジュール表面が周囲の樹木や建築物の陰になっている
・モジュール内部に、ハンダ付け不良や配線不良がある
・パワーコンディショナー(直流から交流へ変換する機械)の故障
・漏電などによって起こる発電不良
・モジュール内部への湿気の侵入による出力の低下
・経年劣化による各種機能の低下
・「ホットスポット現象」によるモジュール焼損


ちなみに、最後の「ホットスポット現象」とは、落葉や鳥の糞などがモジュールの表面に付着して特定の部分が陰になってしまった場合や、ハンダ不良などの製造不具合が原因で、モジュール表面のごく限られた部分(スポット)が発熱してしまう現象です。このホットスポット現象が起きると、発電量の低下にとどまらず、場合によってはセル(モジュールの一部分)が焼損・破損してしまうこともあります。

発電量低下の実例:落ち葉や土埃による太陽光モジュールの被害

落葉によっても発電量低下が起こる

落葉によっても発電量低下が起こる

上の写真は、山間部に設置されているケースで、モジュールの設置角度が緩かったため(水勾配程度)、多くの落ち葉にモジュール表面が覆われてしまっていました。また落ち葉以外にも黄砂や土埃が堆積しており発電が低下していました。こういった状態になると、発電量の低下だけではなく、モジュールの故障や、最悪の場合「焼損事故」などに繋がる恐れがありますので早急な対応が必要です。

発電量低下の予防策

まず、太陽光モジュールを設置する前に、設置する場所の環境、例えば落ち葉や土埃がどれだけ飛んできそうかなど、を入念に確認しておくことが必要です。また設置後も、定期的な洗浄作業や防汚対策は必須です。
洗浄の方法も、例えば「純水」を使用するなど、モジュールに悪影響を与えない適切な洗浄方法があるので注意しましょう。誤った洗浄を行うと逆に汚れの誘因となるので、適切な方法が必要とされます。

また、発電低下の原因は多種多様で、複数の不具合が発電低下に影響している場合もありますので、目視だけでなく測定機器を使用した原因調査が必要となります。

今回お話したような太陽光モジュールの不具合や事故などのトラブルを未然に防ぎ、長年にわたって問題なく太陽光発電事業を行っていくためにも、今後ますますO&Mの必要性が高まっていくはずです。個々のトラブルについては、また今後詳しく掘り下げてまいります。
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