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2017年1月29日 更新

「ボルト・ナットの緩み&締め過ぎ」という問題

ねじが緩んでモジュールが飛散し、周囲の民家に被害を与える…こんな事象には要注意です。しかし「締め過ぎ」によっても、実はモジュールが外れやすくなることもあるのです。適正トルクの確認、スペーサーの活用など対処方法も把握しておきたいものです。

O&M japan編集部
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「ボルト・ナットの緩み&締め過ぎ」という問題

ネジの緩みで起こるモジュールの脱落・飛散

常に雨風にさらされているモジュールは、経年劣化があちこちに起こりやすい環境に置かれています。吹き付ける風はモジュールの微振動を引き起こし、それが原因で、各種機器をつないでいるネジ(ボルトやナット)の緩みが生じていきます。

次の写真はSUS製の留め具が緩みにより外れ、モジュールが脱落してしまった例です。ボルト・ナットの材質の「摩擦係数」や「トルク」(ねじりの強さ)を締め付け時に考慮しないと、このようなトラブルが起こってしまいます。
留め具が外れてモジュールが脱落

留め具が外れてモジュールが脱落

留め具が外れてしまった跡

留め具が外れてしまった跡

ボルトやナットの緩みは、風による微振動が最も大きく影響しますが、なかには施工時の締め付けが不十分で、しかも竣工前検査等で確認を怠っていた、というケースもあります(工期が短く、竣工に間に合わせるため等)。

緩みが次の写真のように抑え金具のずれを引き起こし、その結果、最悪の場合強風によって「モジュールの飛散」が起こってしまうこともあります。
外れて飛散したモジュールが原因で、近くのシステムを壊してしまったり、時に周囲の民家などに多大な損害を与えてしまうといったトラブルも発生しています。時に人命にかかわることもありますので、大変危険です。

適正トルク管理をおろそかにしない

定期点検では、ボルトにつけられた「合いマーク」という印の目視確認や触診、疑わしい場合にはトルクレンチによるトルク管理をおこなうことが重要です。メーカー別・製品別にトルクの標準数値があることを押さえておくべきでしょう。
ボルト・ナットの設置時には、「過剰トルク」(締めすぎ)という問題が起こることもあります。締め付けすぎることで抑え金具が浮いてしまい、逆に外れやすくなってしまうのです。
締めつけすぎの状態

締めつけすぎの状態

過剰トルクは、下図のように抑え金具と架台の間に「スペーサー」を入れることにより回避できる問題です。
スペーサーを用いることで過剰トルクを抑える

スペーサーを用いることで過剰トルクを抑える

なお、トルクは、やや専門的に説明すると、力学の考え方で次のように定義されます。
Nがトルク(ねじりの強さ)です。

N = r × F

Fは物体に加わる力、rは回転の軸からみた力の加わる点までの距離(ベクトル)を表します。トルクNはベクトル量であり、Nの向きを進行方向とする右ネジ回りに物体を回転させる効果をもちます。Fが等しいとき、腕の長さrが長いほうが物体を回転させる効果(N)が大きいということになります。
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ボルト・ナットの緩みへの対処法

緩み止め剤を使って経年的な緩みを抑制していくことや、もともと緩みづらい性能を持つナットを使うなど、ボルト・ナットの緩みへの対処の方法は十分にあります。

重要なのは「小さな予兆を見逃さないこと」です。緩んだ状態で放置すると、モジュールの飛散、端子台の緩みによる機器の脱落、場合によっては機器の焼損などが起こる可能性があり大変危険です。

定期的に打音検査や直接の適正トルクでの締め付け確認をすることで、トラブルの未然防止を心掛けたいものです。
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