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2017年1月29日 更新

発電量の低下に直結する「モジュール表面の汚れ」の防止&除去法

モジュール表面に付着した汚れを放置しておくと発電量の低下だけでなく、破損や焼損事故にもつながります。O&Mの基本である「モジュールの汚れ対策」について、汚れの原因・防止策・除去法、それぞれの視点から解説します。

O&M japan編集部
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発電量の低下に直結する「モジュール表面の汚れ」の防止&除去法

汚れの主な原因は「黄砂」などの堆積物

常時屋外に設置されるモジュールは、放っておくと表面に様々な汚れがついてきます。雨や風によってある程度は落ちますが、固着した汚れになってしまうと簡単には取り除けなくなります。

汚れの主な原因としては黄砂、花粉、鳥の糞、火山灰などがあります。また海沿いの地域では塩分を含んだ潮風の影響でモジュール表面に塩が付着してしまうこともあります。これらが放置されると、発電効率・発電量の低下だけではなく、モジュールの破損や焼損にもつながる恐れがあるので対策が必要です。
黄砂など様々な原因でモジュールの汚れが生じる

黄砂など様々な原因でモジュールの汚れが生じる

「水滴の蒸散」や「洗浄剤」も汚れの原因に

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上の写真のように、ガラス面への汚れの付着は「水滴の蒸散」が繰り返されることでも起こります。水垢・ウロコ汚れ・カルキ汚れ・鱗状痕のほか、ウォータースポット等のシリカスケールが蓄積していくのです。「シリカスケール」とはケイ酸を含む物質の沈殿を指します。

シリカ(二酸化ケイ素)は特に火山層に多く含まれており、一定量雨水にも溶け出しています。これらの物質は化学的結合力が強く硬いために、一般的な洗剤はもちろん、業務用洗剤でも除去できなくなる場合があります。

また、洗浄剤を使った時にその成分である界面活性剤が残留し、油分を吸着して汚れの誘因となることも起こっています。

復旧としての「洗浄」作業

汚れの固着を防ぐためには定期的なモジュールの洗浄が必要です。基本的にはパスカル値の低い(水圧が低い)高圧洗浄機、あるいはホースで洗っていきます。理由は水圧の高い高圧洗浄機を使用して、モジュールの製品部(ガラス・セル・バックシート)をフレームから脱落させない為です。フレームとガラスの接合部分と、フレームとバックシートの接合部分は決して強くなく、モジュール毎に固定や接着方法もまちまちです。その為、カバーガラスのある上部から高負荷をかけることはあまり良くなく、場合によっては湿気の流入により、PIDの原因となりかねません。ちなみにこの洗浄作業には、野立てモジュールの場合、通常1枚あたり5分ほどかかります。

高圧洗浄には普通の水道水を使うことが多いですが、水道水に含まれるミネラルや有機物を除去した「純水」を使う「純水洗浄」と言われる方法もあります。ただ、純水洗浄は水垢が残らないという利点がありますが、普通の水を使った高圧洗浄機より費用が高くなる傾向にあります。

予防としての「コーティング」処理

そもそも汚れが付きづらいようにすれば洗浄の必要も減っていきます。この考えに基づくのが「コーティング」です。

モジュール表面をコーティングするときに重要なのは、「汚れが付きづらい」だけではなく「発電を妨げない」ものである必要があります。そのための技術の一つに「超親水」と呼ばれる現象を使ったものがあります。

「超親水」の加工をすると、モジュール表面に均等な水分の膜をつくります。その水膜が汚れの付着を防止するのです。同時に、雨が降ったら水同士で親和が起こり、汚れを浮かします。さらに、雨とともに表面の水分は流れ、その時に汚れも一緒に流してくれます。
こうした高度なコーティングによって防汚効果と自浄効果が同時に起こせ、かつ表面は水膜なので太陽光を十分に通し、発電効果にも影響しません。

ただし全てが良いとは言えません。多くのコーティング剤は使用することで、モジュールのメーカー保証が外れてしまうケースが多く見られます。
あとは帯電性にも影響が出ます。専門家でもコーティングを施すことでモジュール表面の帯電性が下がることを安全面で良しとする意見と、汚れが固着してるとモジュールそのものが帯電しにくいから良いと言う意見の2つに分かれています。今後の課題と言えるでしょう。また、防汚と自浄の意味合いだけならコーティング処理は正解のひとつとなりますが、経年劣化による製品表面の変色を起こさせない為には、有機溶剤ではなく無機溶剤を使用することをお勧めします。
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早めのコーティングで安心の発電量確保を!

次の写真は設置2年後のモジュールです。汚れを洗浄したあとコーティング加工をしたところ、パネルの輝きに大きく違いが出ました。
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汚れは徐々に付着していくのでその変化に気づきづらいものですが、このように比較すると随分汚れていたことがわかります。この後、発電モニターで確認したところ、発電量は大幅に回復していました。

発電量の低下とモジュールの破損を未然に防ぐために、適正な方法で定期的に洗浄を行い、コーティングを施す。O&Mにとって重要なメンテナンスのひとつです。
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